つくねん

思ったことや感じたことを書きとめる場として。

美しい星

 

5月も今日で終わりだというから、

映画でも見に行くかと

「美しい星」を見に行きました。

 

いくつか設定が違うのは知ってたけど

エンドロールに

原作 三島由紀夫

と出た時は、なんとも言えない気持ちになりました。

いや、いやしかし

三島さんはこういうのも喜ぶかもしれないなぁ

と思いはします。思いはするけれども。

 

これはなんというか。

 

私の期待値が高かったのかもしれない。

核戦争の脅威が環境問題になってもよろしい

(映画化されると知った時

 核のボタンを押す押さないあのせめぎ合いを

 今この時代に映すことに意義を持つ人がいたのだなと思って

 とても期待していた

   とか書いてたらアメリカがパリ協定から離脱するらしいし、タイムリーなのかもしれない)

主人公が高等遊民でなく気象予報士でもよろしい

よろしいけれども

これってほんとに原作を読んだのだろうか。

 

えー。

なんだかよくわからんけど評価がよい。

しまいには、考えなくてもみてるだけで楽しい、とかってひどい(申し訳ない)のもある。

 

私の感覚がずれてるのだろうか。

せっかく原作に三島さんをもってくるなら

あの人間の業についての精緻なやりとりを

なぜ引かないのだろう。

えー。

ひどいよ。

せめて、せめてと思って

人類に対して捧げられる墓碑銘くらいは何かしらの形でいれてくれるだろうと期待してたけど

それもない。ない。ない。

嘘でしょ……。

三島さんは人間を一番美しい動物だと思うとなんかの取材で話してたけど

嘘でしょ……その人間に対する賛辞を引かないの。どういうかたちであれ。

それで人間賛歌とか言ってしまうの・・・・・・。

 

えー私がおかしいのかなぁ。

きっとそうだろうなぁ。

みんな面白いっていってるもんな。

面白いんだろうな。

 

黒木もさ、あのボタンもさ、いや全体的に

つぎはぎでさ。

黒木の語りも、原作のつぎはぎなもんだから

ただの陳腐な屁理屈屋さんみたいになってる。

原作でも結局はそうなんだけど、

でもなんか違う。そうじゃない、と思ってしまう。

 

原作では出てくる、羽黒好きなんですよ。

しかし羽黒も他2名も

全て黒木に融合させたという。

その羽黒他2名とのせめぎ合いは、

テレビ局でのやりとりに置き換えたって

本当に置き換えられていると思っているのだろうか。

 

お願いだから、

原作を読んでほしいという気にさせる映画だった。

読んでるだけで面白いし、ぞくぞくするよ。

ほんとだよ。

 

えー私がおかしいのかなぁ。

私の記憶が改変されてるのかな。

原作もこんな話なのかな。ほんとは。

 

散々なことを書いたけど、ちょっとよくわからない。

 

と思って帰ってきて本棚から新潮文庫を引っ張り出してきたけど

やっぱり違うと思うんだよなぁ。

翻案とはいっても、原作 三島由紀夫と謳うかぎり変えちゃいけないところってあるんだと思うんだけど

きっとこの映画を作った人たちと

私とで、そこにズレがあるというだけの話なんだろうな。

 

私の思う三島さんの妙味が

すっこり抜けていて、それで勝手に怒って愚痴を書いてるだけです。

 

はあ。

 

もしかしたら、定家の本歌取りにもこうやって怒ってた原作 長忌寸意吉麿ファンがいたのかなぁと

ふと思いました。

佐野の渡りに雪なんてふらんよ、とかってぷんぷんしてたりしてね。

 

はあ。

 

でも、これをみて原作を買って読んで

三島さんかわいい、となる人がいてくれるんであれば

それは素敵なことだよなぁ。